日暮亭とは

私たち日暮亭のメンバーは、子ども家庭教育フォーラムのカウンセラー、富田富士也先生と荻野ゆう子先生の元で心理カウンセリングを学んでいる仲間です。

落語好きの富田先生が、ひょんなことから春風亭柳太郎師匠と出会い、「落語とカウンセリングの接点」を学ぶワークショップを開催したのがそもそもの発端。
何度かのワークショップを経て、お江戸日本橋亭において『春風亭柳太郎・富田富士也 二人会』を開催する運びとなり、私たち日暮亭のメンバーも「素人落語の部」に出演させていただきました。

そんなこんなですっかり落語のトリコになってしまった私たちは、人間関係を紡ぐ活動の一環として、2010年から病院や施設、イベントなどで「カウンセリング落語」をお届けするボランティアをするまでになりました。
これまでの活動を紹介し、これから先の活動につなげるべく、ブログを立ち上げたのが2011年のことになります。

またたく間に月日は流れ、2020年となった今年、ブログを移転することとなりました。
引き続き細々と活動を続けている日暮亭ですが、継続は力になっているのかどうか、ぜひ私たちの落語を聴いてご判断いただければ幸いです。

 

で、カウンセリングと落語ってどんな関係があるの・・・?

この疑問はごもっともです。私もはじめは不思議に思っていました。

心理カウンセリングを学び、落語のお稽古をするうちに感じたのは、「この2つ、何だか似たところがあるな」ということ。
無理矢理に一言で言うならば、両者とも人間関係を扱っているところが似ていると言えるかもしれません。
一人ぼっちではカウンセリングもできないし、落語にもならないですもんね。
(最近の新作は一人だけしか出てこない落語もあるかもしれませんが、不勉強にて知りません)

それから、どうにもならない現実を抱えているところも似ているように思います。
問題があったり、貧乏だったり、ケチだったり、嫌なやつだったり・・・そんな現実は変わらないまま、対話をするうちに心がゆるんでくる。
「しょうがねえか!」と一区切りをつけて、また明日からぼちぼちやっていく。
そんなシーンが、カウンセリングにも、落語にも、たくさん散りばめられているように思うんです。

そして、ボランティアで落語をやるようになって思ったのは、「聴いてくれる人がいるからこそ落語ができる」ということ。
もちろん稽古の時は一人でぶつぶつ言ってたりするわけですが、ボランティアに出かければ大勢のお客さんが待ってくれています。
私たちの落語を聴いてくれて、楽しんでくれて、時にはちょっと厳しい意見を言ってくれたりもする。さらに笑っていただければ、万々歳!
そんなお客さんがいるから、落語ができるんだなあ、と感じました。

そんなわけで、私たちの落語は「カウンセリング落語」と自称しています。
現実は変わらなくても、落語で一息つく時間をみなさんにお届けしたいと思っているのです。

文責・日暮亭おさし身